2026年5月号掲載

論理学 考える技術の初歩

Original Title :La logique, ou les premiers développements de l'art de penser (1780年刊)

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著者紹介

概要

コンディヤックは18世紀フランスの哲学者で、感覚や記号の体系を築き上げた。晩年、彼は若者のために論理学の教科書を執筆。それは「正しく考える方法」を学べる書として、広く読み継がれてきた。本書は、この名著を初めて邦訳したもの。「知識を獲得する唯一の方法は分析である」という教えは、今も大いに参考になるはずだ。

要約

考える技術の最初のレッスン

 人が自分の身体の諸機能を初めて使おうとする時、とりあえず自分の腕を使うことから始める。それは、人間にとって自然なことである。

 また、役に立ちそうなものは何でも利用するだろう。ものを利用する経験が積み重なると、大きな力になる。経験の中で人は、なぜ失敗したのか、どうすればもっとうまくできるのかに気づき、身体の諸機能は徐々に改善されていく。こうして人は、自分で学ぶのだ。

 我々が最初に精神の諸機能を利用する時も、自然はこのようにして我々に始めさせるのである。

感覚する機能が、心の諸機能の中の最初のもの

 我々が最初に気づく心の機能は、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚という「感官」(五感)である。

 もし目が見えなかったら、我々は光も色も知ることはなかった。もし耳が聞こえなかったら、音についての知識を持つことはなかっただろう。要するに、もし感官を持っていなかったら、我々は自然界に存する対象について知ることはなかった。

 だが、そうした対象について知るためには、感官を持っているだけでは不十分である。なぜなら、我々は皆同じように感官を持っているが、皆が同じ知識を持っているとは限らないからだ。

 もしも感官を制御する(導く)ことを学ばないなら、他の人より少ない知識しか持てないだろう。

感官の導き方を学ぶ

 では、感官の導き方を学ぶには、どうすればよいのか。それは、たまたま感官を上手に導けた時と同じことをやってみることによってである。

 幼児は、自ら学びたいという欲求を感じるからこそ学ぶ。例えば自分の乳母を知ることに関心を持ち、すぐに乳母のことを知る。そして、多くの人の中から自分の乳母を見分ける。

 「知る」とは、まさしくこういうことである。要するに、見分けることのできる物の数が多いほど、また物を特徴づける質に気づくほど、我々は多くの知識を獲得したことになる。

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