2026年4月号掲載

炎上で世論はつくられる ――民主主義を揺るがすメカニズム

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著者紹介

概要

SNSが今、民主主義を揺さぶっている。「ネット炎上」や「フェイク情報」が政治の世界にも深く入り込み、近年は選挙の行方を左右するまでに。自由な言論そのものが損なわれかねない、こうした過激な声といかに向き合うべきか? 急激に進む政治とネットの融合を、豊富な事例と実証実験を基に問い直し、警鐘を鳴らす。

要約

SNSが選挙を変えた

 幅広い世代において、今やSNSは「特別な場所」ではなく生活の一部となった。その便利さと常時接続性が、政治や選挙という分野にまで深く入り込んできている。

2025年参院選 ―― 加速したSNSの影響

 2025年7月の参議院議員選挙では、SNS上で話題を集めた政党や候補者が議席を伸ばした。

 中でも注目されたのが、参政党と国民民主党のSNS戦略だ。両党の特徴は、代表や党首のフォロワー数が極めて多く、まるでインフルエンサーのような役割を担い、発信を繰り返したことだ。

 例えば参政党は、力強い言葉で多くの人の感情を揺さぶり、熱心な支持者の共感を呼び込んだ。その熱量はネット上で“勝手連”的な動きを呼び起こし、応援投稿が次々と拡散された。

 実際、NHKの出口調査では、参院選の投票で最も参考にしたメディアとして「SNSや動画サイト」を挙げた人の比例投票先は、最も多いのが参政党の29%であった。次いで国民民主党(16%)であり、自民党は7%の5位に過ぎない。

SNSが争点を決めるのか?

 この選挙でもう1つ特筆すべきなのは、「外国人関連政策」が主要テーマとして急浮上した点だ。

 背景には、躍進した参政党が掲げる「日本人ファースト」というメッセージがある。SNS戦略に長けた参政党が「外国人に関する話題」を積極的に取り上げることでSNSでの関心を高めていった。その影響は大きく、「外国人」関連ワードが一気にSNS上のトレンドを占めるようになった。

 興味深いのは他党の対応である。各党はSNS上の投稿内容をリアルタイムで監視しており、「外国人」が注目トピックとして急浮上すると、すぐに街頭演説やSNS発信にそのテーマを取り込んだ。

 この現象は、SNSが単なる情報拡散の場にとどまらず「アジェンダ・セッティング(議題を決める)」の役割を担い始めたことを意味している。

政策よりも言葉の強さが求められる時代

 だがその一方で、SNS特有の情報の流れ方が選挙における最も本質的な論点 ――「政策」への注目を損ねているという深刻な問題も浮上した。

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