2007年8月号掲載

補佐役の精神構造 リーダーを支えた名参謀の条件

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著者紹介

概要

歴史的なリーダーを陰で支え続けた名補佐役たち。彼らは、ある面ではリーダーより優れ、リーダーに不足している部分を補ってきた。そして後世の人々を惹きつけ、憧れの対象になっていることも多い。本書では、精神科医である著者が、歴史に名を残したリーダーと名補佐役を多数取り上げて心理学的に分析し、優れた補佐役になるための条件を明らかにする。

要約

トップの心理学

 ビジネスパースンの精神健康診断のデータを分析すると、地位が高くなればなるほど、得点が高くなっていく項目がある。

 それは「発揚(調子が高い)」「軽躁(軽い躁状態)」「自己顕示(自分をアピールすることが好き)」「粘着(粘り強い)」の4つの精神尺度と、性格尺度である「他者に対する共感性」である。

 出世するにつれ高くなるこの5つの尺度は、まとめて「出世症候群(プロモーションシンドローム)」と呼ばれる。

 この出世症候群は企業の中でどういう人がリーダーになるかをよく示すもので、リーダーは次の2つのタイプに大別できる。

 1つは、発揚、軽躁、自己顕示という、派手好きで、調子が高いタイプ。もう1つは、几帳面、律儀、仕事熱心、何事もきちんとしなければすまない気配り人間で、粘り強いタイプ。この2つが「出世する人」の代表的なタイプである。

 以上は心理学的なモデルだが、気質類型学によって分類するモデルもある。ドイツの精神科医エルンスト・クレッチマーが唱えたもので、彼は、人間の性格は「分裂気質」「循環気質」「粘着気質」の3つに分けられるとした。

 分裂気質は非社交的で内向的。循環気質は現実的、外交的で、周りに合わせていこうという気持ちが強い。粘着気質は、粘り強く、権威に従順で、困難にも耐えるという性格だ。

天才とイデオサバン

 また最近、脳科学的な研究が進んだ結果、天才と「イデオサバン」というタイプの人との類似性が知られるようになった。

 一方、モーツァルトやゴッホなど、天才と言われる人々には非常に変わった人が多く、対人関係という点では不得意なところがある人が多い。

 このイデオサバンと天才の脳には共通点があり、どちらの脳もドーパミンという物質のレベルが高い。そしてドーパミンが多いと、ドーパミン過剰症候群と呼ばれる症状が出る。

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