2026年10月号掲載
サムスン元CEOが教える仕事の極意 ――会社員として成功したいすべての人へ
Original Title :일이란 무엇인가 (2023年刊)
著者紹介
概要
韓国・サムスン電子のモバイル事業を牽引し、成功へと導いた元CEOが、長年培った仕事術を惜しみなく披露する。持たざる者の武器は「時間」、創造力は「足」から生まれる、「安定」と「安住」の違い…。何のスペックもない会社員からグローバル企業のトップに昇りつめた著者ならではの、厳しくも温かいアドバイスが満載だ。
要約
仕事で成功したいあなたへ
私は何も持っていない人間だった。いわゆるSKY(韓国最難関のソウル大学:S、高麗大学:K、延世大学:Y)を出たわけでもない。生活も苦しく、1984年の大学卒業と同時にサムスンに就職した。
そんな私は入社当初から「社長」になることを目標としてきた。成功できる道は「仕事」だけだったからだ。その道のりは決して楽なものではなかったが、2015年、ついに社長に就任した。
2022年に退職し、38年に及んだ会社員生活は幕を閉じた。そこで、これまでの組織生活で私が悩み実践してきた経験と自分なりのノウハウを、今の若者世代に伝えたい ―― 。
「何も持っていない人」の唯一の武器
「ワーク・ライフ・バランス」は必要不可欠なものだと思う。ただし、私の考えるそれは一般的な定義とは異なり、「目標達成のために、仕事と生活の両方にバランスよく投資すること」を意味する。つまり、会社だけでなく家でも目標について考え、追求し、努力する、ということだ。
・唯一の武器は時間
人間には生まれた時から平等に与えられているものがある。身体と精神、そして時間だ。この時間こそが「何も持っていない人」の唯一の武器である。学歴も低くて実力不足、ないものだらけだというのであれば、時間の管理から始めよう。
誰もが24時間を手にして1日を始める。そして、それをどう活用するかによって次第に差がついていく。25時間あるかのように使う人もいれば、23時間分しか使わない人もいる。初めは1時間ほどの違いだが、これが積み重なるとその分だけ差が開いていき、追いつくのが難しくなる。
・成長を促す「To Doリスト」
社会人になりたての頃は、月曜日から土曜日の午前まで個人的な予定を一切入れなかった。少なくとも6~7年目までは、どのように時間を配分して成長につなげられるかに頭を悩ませ、実践するのみだった。
当時はやるべきことが多ければ夜の10~11時まで残業をするのが当然だったので、いっそう仕事に没頭していたのかもしれない。自分の持つほぼ唯一の財産だった時間を最大限に活用するという戦略をとり、それが功を奏した。
もちろん、仕事一辺倒の生活をすべきだという意味ではない。同じような日常が繰り返されると、気が緩んだり緊張感が薄れやすくなったりする。そこで活用したのがTo Doリストである。退社前には翌日にやるべきことを時間単位で整理し、達成度などを指標にして自分自身を評価した。