2026年6月号掲載

世界のエリートが学んでいる教養としての超現代史

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著者紹介

概要

政治や社会の分断が可視化されたアメリカ、クリミアを併合したロシア、「一帯一路」構想を進める中国…。2010年前後を境に世界は大きく変化した。なぜか? 元外交官が各国の動き・思惑を過去に遡って解説。現代史のみならず政治文化や国民性、思想哲学など多くの知識が得られる。世界情勢を見る上で羅針盤となる1冊だ。

要約

アメリカ

 2010年前後、世界各地で歴史の潮目が変わったと捉え得る出来事が起こった。この「2010年前後」を1つのパラダイムの転換点と位置づけ、世界の国々の歴史を見ていこう。

 *

分断が可視化されたアメリカ

 2010年以降のアメリカの大きな特徴は、経済格差の拡大や、政治的・社会的な分断が可視化されるようになったことである。

 この変化は決して、ドナルド・トランプ1人がもたらした突然変異ではない。アメリカという国の成り立ち、そもそもの国家のあり方が内包してきたものが噴出したといえる。

プロテスタント的価値観がアメリカをつくった

 アメリカの歴史を振り返ると、まず重要なのは、アメリカは「先住民の土地で、プロテスタントの精神的基層の上に築かれた国」であるという点だ。

 イングランドで生まれたピューリタン(清教徒。プロテスタントの一派)の一部が、政治・宗教的な弾圧から逃れてキリスト教の理想を実現させる「神の国」をつくるため、北米大陸に移り住んだ。これが「アメリカ合衆国」の建国理念の源流だ。

 そして、アメリカを形づくってきたプロテスタント的価値観の中でも、現代のアメリカを理解するには「福音派」の存在を無視できない。

 福音派は、プロテスタントの中でも特に聖書の権威性を重んじ、その教えを日常生活や政治判断にも積極的に反映させようとする。例えば「人工妊娠中絶」や「同性婚」は聖書の教えに反すると見なし、自分たちもそれに従うべきであるとする。

 そして、とりわけ現代のアメリカを理解する上で重要なのは、この福音派こそがトランプの最大級の支持基盤であるという点なのだ。

アメリカが善悪の判断者になった理由

 アメリカは、このようにプロテスタント的な信心が大きな影響を持っており、それが今日の保守層のメンタリティを形づくる要素にもなっている。

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