2026年4月号掲載

どうにかする めちゃくちゃな状況で「圧倒的な結果」を出している人と組織の思考法

Original Title :THE FOUR WORKAROUNDS:Strategies from the World’s Scrappiest Organizations for Tackling Complex Problems (2023年刊)

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著者紹介

概要

世界には、時間も予算も人手もない中で“大きな成果”を上げる人たちがいる。共通点は、課題と正面から向き合わず、「回避」して解決していること。「便乗」「抜け穴」「誘導路」「次善策」のいずれかを駆使し、難問を乗り越えている。誰でも使えて応用範囲が広いこの4つの回避術を、オックスフォード大学の俊英が紹介する。

要約

4つの回避術

 私たちは自宅や職場、社会で、絶えず複雑な問題に直面する。多くの予算と人手をつぎ込んでも解決法が見つからないことすらある。そんな時はどうすべきか? 答えは、「回避術」だ。

 私が調査したところ、起業家や企業、非営利団体など、変革を起こす人たちには共通点があった。いずれも4種類の回避術 ――「便乗」「抜け穴」「誘導路」「次善策」のうち、少なくとも1つを使っていたのだ。

便乗 ―― 「既にあるもの」に乗れ

 「便乗による回避術」とは、一見無関係なつながりを利用することであらゆる障害を回避し、問題を解決する方法である。

 ・子供の命を救った「コカコーラ」

 その好例が、ジェーン・ベリーとサイモン・ベリー夫妻が設立した非営利団体「コーラライフ」のアフリカでの取り組みである。

 1980年代にサイモンは、ザンビアの農村の総合開発プロジェクトに取り組んでいた。その中で、コカコーラは簡単に手に入るのに、命を救う医薬品がなかなか入手できないことを知る。

 この国の主要な死因である、下痢などを治療するための市販薬ですらそうだった。子供の下痢は深刻な問題の1つで、サハラ砂漠以南のアフリカでは5歳未満の子供の死因第2位だった。

 ザンビアはインフラ整備が不十分で、自動車など支援のためのリソースも不足していたせいで、行政が全国に医療を提供しようにも限界があった。

 その方法は、「小児向けの安価な下痢止め薬をパッケージに入れ、コカコーラの瓶ケースの瓶と瓶の隙間に挟み込む」というものだった。

 ・「既存のシステム」に乗っかれ