2026年4月号掲載

不安の世代 ――スマホ・SNSが子どもと若者の心を蝕む理由

Original Title :The Anxious Generation (2024年刊)

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著者紹介

概要

2010年頃から、世界では10代のうつ病や自殺が急増し始めた。これは、同時期に登場したスマートフォンやソーシャルメディアの急速な普及と軌を一にしている。因果関係はあるのか。米国の社会心理学者が、スマホ・SNSの普及と若者の心の健康悪化との関連性をデータに基づき解説。子どもの健全な発達のための改善案を示す。

要約

急激に高まった10代の苦悩

 2010年代初め、若者に大きな変化が起きた。「Z世代」(1995年以降に生まれた世代)の精神疾患の割合が多くの国で上昇したのだ。

10代の心の健康が急激に悪化

 アメリカ政府の調査によると2012年頃から、うつ病を経験した10代の若者が急増している。2010年を基準とした変化率で見ると、男女ともにおよそ150%の増加となる。つまり、約2.5倍だ。

 10代の若者の自殺率も急増している。アメリカ疾病予防管理センターのデータによれば、2010~2021年の間に青年期前半(10~14歳)の女子の自殺率が167%も増えているのだ。

生活がスマートフォンに支配された初めての世代

 その背景には、スマートフォンの急速な広がりがある。

 10代の若者は1990年代後半から携帯電話を持っていた。だがそれは、インターネット接続のない「ベーシックな」電話で、主な使い道は友人や家族と直接1対1で連絡を取り合うことだった。

 だが、スマートフォンは全く違う。24時間インターネットに接続でき、各種ソーシャルメディアがひっきりなしに通知音を鳴らし、他の人が何をしているかをチェックするよう促してくる。

 アメリカの非営利団体の2015年の報告書によると、10代は1日あたり約2時間をソーシャルメディアで、約7時間をオンラインゲームやユーチューブの動画視聴などデバイス画面上で過ごす。これらの数字は、青年期の若者のメンタルヘルスが突然崩れ出した背景を理解する手がかりとなる。

 また、オンライン時間の尋常でない長さから、たとえ電子機器を使わずに現実世界で何かをしているように見える時でも(教室で席についている、食事をしているなど)、Z世代の意識の大部分は仮想世界上の出来事を心配することに向いている。

 

子どもの健全な発達に必要なこと

 「スマートフォン中心の子ども時代」は、生物学的、心理学的、文化的発達をどのように変質させるのか? その問いに答えるには、人類の子ども時代における重要な特性に着目する必要がある。

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