2026年4月号掲載
インフレ・円安・バラマキ・国富流出
- 著者
- 出版社
- 発行日2026年1月23日
- 定価1,100円
- ページ数255ページ
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著者紹介
概要
外国の人から見て、今の日本は「安い国」だ。自国で3000円するランチが、日本では1000円で食べられる。かつては「割高な国」だったのに、なぜこんなことになったのか。その背景にある“円安”について、為替ストラテジストが解説。通貨としての円の魅力が薄れた根本原因、今後起こり得るシナリオをデータを基に提示する。
要約
「割安な国」になった日本
最近、海外に行った人から「サンドウィッチとコーヒーだけで3000円以上もした!」などという話を聞いた人は多いのではないか。
日本は以前、割高な国として有名だったが、今は逆だ。外国人観光客が「サンドウィッチとコーヒーで1000円しかしなかった!」と喜んでいる。
日本が割安な国になった2つの理由
こうなった理由は、主に2つある。
1つは、単純に海外では物価の上昇率が大きく、日本では上昇率が小さいことである。例えば、1990~2024年の間に米国の消費者物価は約2.4倍になったが、日本は20%程度しか上昇していない。
もう1つの理由は、円の価値が極端に安くなっていることだ。
例えば、ドル/円相場が1ドル=100円の時に、米国では1ドル、日本では100円で売っていたものがあるとする。その後、米国で2ドルに値上がりし、日本では100円のままだったとしよう。この時、1ドル=50円まで円高が進めば日米で物価は釣り合うはずだ(50円×2ドル)。それなのに、実際には1ドル=150円近辺まで円安となっている。そのため、日本人から見た米国の値段は300円になっているのだ(150円×2ドル)。
このような場合、米国の物価は上昇しているので、ドルの価値は低下したといえる。一方、日本では物価がほぼ上昇していないため、円の日本国内での価値は米国ほど低下していない。にもかかわらず、それが国際的に評価されていないのだ。
これは、海外から見ると割安な円を買って日本で使えば、様々なモノやサービスが割安に買えるのに誰も見向きもしないということだ。本来であれば、円が割安でなくなるところまで日本のモノやサービスが買われ、円高になるはずだ。しかし、そうした調整が行われなくなっているのである。
円の全体的な価値を測る尺度を実質実効レートというが、近年の実質実効レートは歴史的な円安水準だ。なぜ、こんなことになったのか。
その理由は大きく分けて2つある。