2024年2月号掲載

なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか 〝ゆるい職場〟時代の人材育成の科学

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著者紹介

概要

今、多様な価値観をもつ若者、“Z世代”の育成に悩む企業は少なくない。残業しない、嫌になればすぐ辞める。そんな彼らを活躍させるための、新時代の若手育成論だ。独自調査を基に、Z世代の価値観や不安を明らかにし、職場に求められる要素を指摘。著者は言う。進行中の働き方改革に加えて、「『育て方改革』が必要だ」と。

要約

「Z世代」は存在しない

 若者の育成が難問となっている。残業をしない、人付き合いをしない、会社が嫌なら辞めればいいと思っている…。なぜ企業は、若手の定着や育成でこれほど悩むようになってしまったのか。

 その理由は2つに集約される。1つは「若手の仕事・キャリアに関する考え方の多極化」だ。

仕事に関する質問と、意外な結果

 「Z世代はこれまでの世代にはない独自の価値観を持っている。まず、それを把握しなくては」。そう思い込んではいないだろうか。

 だが、データは次のことを教えてくれる。

 ―― Z世代の価値観は「二極化」が著しい。「最近の若者はこうだから、こう育成しよう」というアプローチは、もはや効果が乏しい。

 筆者が所属する研究所では、大手企業に在職する29歳以下の社会人に、仕事・キャリア観に関する5つの質問を行った。例えば ――

 【A】現在の会社で長く勤めたい

 ⇔【B】魅力的な会社があれば転職したい

 ⇔【B】給料は低くとも落ち着いて働きたい

 これらの項目について、Aに近いかBに近いか、と聞いた結果、5項目のうち4項目でAとBの境界線がほぼ50%だった。例えば、最初の質問では「Aに近い」が52.4%、「Bに近い」が47.6%。ほぼ50:50で回答者が存在しているのだ。

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