2023年2月号掲載

ネットワーク・エフェクト 事業とプロダクトに欠かせない強力で重要なフレームワーク

Original Title :THE COLD START PROBLEM (2021年刊)

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著者紹介

概要

今や巨大テック企業となったウーバーやインスタグラム。その成功の裏には、「ネットワーク効果」がある。多くの人が使えば使うほど製品の価値が高まり、急成長するという戦略だ。シリコンバレーの投資家が、その全貌を解説した。5つのステージからなるネットワーク効果のフレームワークは、様々な事業分野で活用可能だ。

要約

コールドスタート理論

 巨大テック企業は、「ネットワーク効果」で前代未聞の規模に成長した。ネットワーク効果とは、「多くの人が使えば使うほど製品の価値が高まる」ことだ。

 ネットワーク効果は、大成功した多くのテック製品に様々な形で組み込まれている。例えば、ウーバー、エアビーアンドビーは買い手と売り手をつなぐネットワーク製品である。インスタグラム、ティックトックはクリエイター、消費者、広告主をつなぐネットワークである。

 ユーザーに提供する価値も対象ユーザーもビジネスモデルも違うが、どれも多くの人が使えば使うほど便利になるというネットワーク効果のDNAを持っている。

 ネットワーク効果を活用するチームは、成長の過程で5つのステージを通ることになる。このフレームワークは、ネットワーク効果を生む上で最も重要な最初のステージの名にちなんで「コールドスタート理論」という。

 

 ①コールドスタート問題

 新しいネットワークのほとんどは破綻する。動画共有アプリを立ち上げても、動画コンテンツが集まらなければユーザーは定着しない。それはSNSをはじめ、あらゆる製品に同じことがいえる。

 スタートアップの初期段階で、望ましいユーザーとコンテンツを同時に集めることは簡単ではない。これが「コールドスタート問題」だ。

アトミックネットワーク

 アトミックネットワークとは、自律するのに必要な最小単位のネットワークだ。「原子」に例えてアトミックネットワークと呼ぶのは、それが大きなネットワークを構成する最小単位だからだ。アトミックネットワークを1つ2つ、つくれれば、そこからネットワークを大きくできる。この最小単位のネットワークが全ての原点となる。

アトミックネットワークの選び方

 最初のアトミックネットワークは、かなり小さい。大規模なユーザー層や特定の顧客セグメントなどではなく、ある瞬間的なニーズを抱える数百人といったピンポイントの対象である。

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