2022年12月号掲載

研究不正

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著者紹介

概要

ねつ造、改ざん、盗用…。正確さや客観性が求められる科学の世界で、“研究不正”が後を絶たない。2014年には「STAP細胞事件」「ノバルティス事件」が起こり、世間を騒がせた。研究不正は、なぜ行われるのか? 国内外の様々な事例を取り上げ、その原因や手口を分析。不正防止に向け、“不都合な真実”を明らかにする。

要約

日本の科学の光と影

 わが国の科学には光と影がある。

 光輝いているのはノーベル賞である。21世紀に入ってから15年間の自然科学3部門、生理学・医学賞、物理学賞、化学賞のノーベル賞受賞者は13名に達する。これは、米国の57名に次いで2位である。

 残念ながら、その光に影を落とすような事例が後を絶たない。研究不正である。研究不正や誤った実験などにより撤回された論文のワースト10に2人、ワースト30に5人も日本人が名を連ねているのだ。

 加えて、2014年には「STAP細胞事件」と「ノバルティス事件」という2つの研究不正により、わが国は、量だけでなく研究不正の質においても世界の注目を集めた。

 研究不正を正確に知ることは、今後の研究不正を防ぐことになる。では、これらの研究不正は、どのようなものだったのか?

 

 ノバルティス事件

 ノバルティス事件は、自社の降圧剤ディオバンの販売成績を上げようとしたノバルティス社によって仕組まれた研究不正である。東京慈恵会医科大学、千葉大学、名古屋大学、滋賀医科大学、京都府立医科大学の循環器内科が参加し、約10年間にわたって行われた、大規模な臨床研究だ。

 ・「創出」された臨床データ

 ディオバンの売上がまだ400億円だった2002年、ノバルティス社は「100Bプロジェクト」を立てた。100ビリオンすなわち1000億円の売上のためには「国内の臨床データの創出が不可欠」と内部文書に書かれていたという。

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