2022年12月号掲載
デザイン思考 マインドセット+スキルセット
- 著者
- 出版社
- 発行日2022年10月12日
- 定価2,200円
- ページ数346ページ
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著者紹介
概要
デザイン思考とは、優れたデザイナーの思考・行動パターンを体系化したもの。特別なノウハウやセンスがなくとも、イノベーションの創造を可能にする思考法だ。その最前線を知る著者が、問題の発見から解決、プロトタイプの開発まで、一連のプロセスを解説。誰もが「デザイナーのように思考する」ためのテクニックを明かす。
要約
「デザイン思考」とは何か
「デザイン思考」は、イノベーションを日常的に行うための思考法の1つである。
デザイン思考では、人間を理解することが求められる。さらに、アイデアを考えるだけでなく、アイデアを実行することを求められる。そして、そこから得られた情報をもとに修正を繰り返す。
その実現には、「創造力に対する自信」が必要となる。創造力とは、絵を描く、作曲するといった能力ではなく、我々を取り巻く世界を理解する能力である。創造力こそが人間にとって最も貴重な資源であり、デザイン思考はこの資源を引き出し、活用するための思考法である。
5つのマインドセット
デザイン思考は、スタンフォード大学とデザイン・コンサルタント会社のIDEOが連携し、体系化した。そのベースとなったのは、優れたデザイナーの思考法である。
デザイン思考では、イノベーションを効率的に生み出すために、優れたデザイナーが日常的に行う「マインドセット(思考・行動のパターン)」を活用する。優れたデザイナーの思考には、次のような5つの特徴がある。
①人間を中心に思考する。
②言葉や数値だけでなく、積極的にビジュアル(スケッチ、試作品)による表現方法を使用する。
③ビジュアルや言語の情報を通じて、対象となる人や協働者との対話と修正を何度も繰り返す。
④ものの見方、考え方の枠組み(フレーム)を変化(リフレーム)させて、従来の枠組みでは捉えられない問題に気づく、あるいは異なるアプローチによって問題を解決する。
⑤人々が活動する現場における人間の観察から始めて、検証に至るまでのステップを繰り返す。
優れたデザイナーは、このような特徴的な思考を通じて、与えられたテーマに対して手がかりを見いだし、それをもとに問題を発見する。そして、その問題を解決する体験を創造し、従来とは異なる価値を持つ製品やサービスを生み出すのだ。