2021年11月号掲載

イノベーションの再現性を高める 新規事業開発マネジメント 不確実性をコントロールする戦略・組織・実行

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著者紹介

概要

近年、日本では新規事業開発に取り組む企業が増えつつある。ビジネス環境が厳しさを増す今、どんな企業も事業を創り続けなければ生き残っていけないのだ。だが、成果を上げる企業は極めて少ない。どうすれば成功確率を高められるのか。数々の新規事業を支援してきた著者が、その経験から得られた実践的な知見と手法を説く。

要約

新規事業開発が失敗する理由

 ここ数年、日本では従来にないほど企業における新規事業やイノベーションの必要性が声高に叫ばれ、それに呼応するように各社の意欲・関心が高まっている。だが実際のところは、「新規事業開発がうまくいっている」と断言できる企業は極めて少数派だ。大半の企業は苦戦している。

 なぜ、企業の新規事業開発は失敗するのか?

 企業内新規事業開発がうまくいかない背景には、数多くの構造的な課題が存在する。それらの課題は、次の3つに分類できる。

 ①ビジョンや新規事業開発への方針・戦略がない

 多くの企業が、中長期的なビジョンや、「なぜ新規事業に取り組む必要があるのか?」「自社にとって必要な新規事業の定義とは何か?」といった全社的な方針や戦略を定めていない。

 方針や戦略が定義されていなければ、自社に必要な新規事業の領域や要件を検討するための判断軸がなく、良い事業構想を練ることができない。

 ②良質な「多産多死」を実現するための組織になっていない

 仮に全社的な方針や戦略が策定されていても、それを高いレベルで実行し続け、良質な「多産多死」(中長期の目線で多くの事業を生み出し、結果としてわずかな成功が生き残ること)を実現するための組織や人材がなければ、すべては絵に描いた餅で終わる。組織づくりや人材づくりという観点でも、企業が抱える課題は深刻だ。

 ③自社の性質や事業の不確実性に応じた事業開発プロセスを実行していない

 新規事業開発のメソッドや方法論に、すべての企業に通用するような万能なものはない。その企業の特性や取り組む目的、置かれている環境などにより、採用すべきメソッドは異なる。