2021年2月号掲載

BCGが読む経営の論点2021

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概要

コロナ禍で同時に進行する、景気後退と経済の構造変化。この変化に対応し、競争力を強化するための経営変革の道筋を提示した書だ。働き方の変化を踏まえた抜本的なコスト見直し、顧客を起点とした「アジャイル」の全社的展開…。構造変化をチャンスに転じる具体策が示され、改革の方向性を定め、実行する上で参考になる。

要約

競争力格差が広がる時代になすべきこと

 コロナ禍の下で加速する、社会・経済や個人生活の構造変化。その変化に対応し、ビジネスを進化させるために必要な変革とは ―― 。

経済の構造変化を企業にとってのチャンスにする

 ボストン コンサルティング グループ(BCG)の分析によると、過去、景気後退と経済の構造変化が同時に起きている期間には、企業間の競争力格差が広がる傾向が見られる。

 企業が変化に積極的に対応し、経営のあり方や顧客価値を高められれば、競争優位性の構築につながる。一方で、業績が悪化する中で対症療法に終始し、構造変化への対応が後手に回った企業は、縮小均衡、淘汰の道を歩むことになる。

 この意味で、コロナ禍は多くの企業にチャレンジを投げかけるが、同時に競争力強化のチャンスももたらしているといえよう。

変革の4つの方向性

 企業が経済の構造変化をチャンスとする上での1つのカギは、変化に対応するための変革の方向性を定めることだ。その方向性は次の4つである。

 ①不透明な経営環境への耐性を高める

 従来、「正確に先を読むこと」は企業経営の成功の条件とされてきた。その背景には、経営から不確実性を可能な限り減じることが、生産性の向上につながるという考え方があった。

 しかし、今後は想定外の事象が次々に発生し、不確実性の多くを減じることは不可能となるだろう。この環境下で大切なことは、「先を読む」から「先が読めないことを前提にした経営」に舵を切り、不透明な経営環境への耐性を高めることだ。

 事業環境が急速に変化する中で、企業が継続的に付加価値を実現するためには、協働のあり方を大きく進化させていく必要がある。

 協働のあり方は、伝統的には「事前に決めた目標を、企業内の固定的な体制で、日々改善しながら進めていく」であった。しかし、今後求められるのは「実現すべき付加価値を明確にした上で、日々発生する新たな課題に対して、企業内外のリソースを活用し、迅速な解決を図っていく」協働である。次々に問題が発生することを前提に、組織が柔軟な問題解決力を高めることが大切だ。

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