2014年7月号掲載

ユダヤに伝わる健康長寿のすごい知恵 最新医学でわかった聖書の真実

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著者紹介

概要

ユダヤ教徒は、世界で最も健康意識の高い民族である。彼らが4000年もの間、聖典として信奉し続けてきたヘブライ聖書には、病気を避けるための知識と実践方法がたっぷり織り込まれている。しかも、その内容は、最先端の現代医学の考えとほぼ一致するというから驚きだ。ユダヤに伝わる、この健康長寿の知恵のエッセンスを、ユダヤ教徒である著者が披露する。

要約

4000年語り継がれるユダヤ健康法

 ユダヤ教の聖典である、ヘブライ聖書。

 これは宗教書という意味合いだけでなく、様々な物語を含む。そこにはユダヤ人の歴史、説話、中東の地誌、気候などが書かれ、そして、健康と医療、食べ物を巡る情報が多く含まれている。

 ユダヤ教ではヘブライ聖書の中の決まりから、ユダヤ人が守るべき620の戒律を導き出している。

 その上でラバイ(ユダヤ教の宗教指導者)たちは、宗教と健康のために何千年も議論を重ね、「カシュルート」というユダヤ独特の健康指針を確立した。その分量は分厚い本の10冊以上にもなる。

 また、紀元0年頃に原型ができた「タルムード」と呼ばれる、戒律を巡る議論を記録した本がある。これは、百科事典並みの厚さの本が30冊ほどもある膨大なものだ。

 そのタルムードの中で、「ユダヤ人はどこに住まなければならないのか」という問題を巡る議論が記されている。そこでは「医師がいること」「上下水道と浴場があること」「野菜畑があること」といった主張が行われていた。

 公衆衛生についての意識が、古代からしっかりしていたことに驚かされる。きれいな水と汚水の処理、体を清潔にする浴場の確保は、現代でもなお世界の多くの地域で解決できない問題だ。野菜畑は、健康維持に不可欠なビタミンやミネラルなどの栄養素を供給するものである。

 ヨーロッパにおけるユダヤ人コミュニティを巡る、19世紀末のデータが残っている。

 ペストなどの流行期には、「人混みを避けろ」というラバイからの“おふれ”が出されている。

 ラバイは、教師であり、医師だった。こうした人が宗教活動の中で、医療情報を教えていた。ちなみに、古代ギリシャ時代の医学を中世ヨーロッパに伝承したのは、全てユダヤ人のラバイだった。

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